大林組が開発した「AI配筋自動検査システム」は、AI解析とステレオカメラを活用し、鉄筋コンクリート構造物の複雑な配筋検査を自動化できる次世代ツールです。 この記事では、本システムの主な機能や特徴に加え、実際に現場でどのように活用されているのかを紹介します。

大林組が開発した「AI配筋自動検査システム」は、2018年開発の自動品質検査システムをベースに高度化した次世代システムです。 特に鉄筋コンクリート構造物を扱う建築・土木業界での活用に強みを発揮し、高層ビルや橋梁など、鉄筋が複雑に組まれる現場で真価を発揮します。 AIがカメラ映像から鉄筋の径や間隔を自動で測定し、従来手作業だった配筋検査の時間を大幅に短縮。 人為的ミスの防止と検査品質の均一化にも貢献します。
AI配筋自動検査システムは、ステレオカメラで撮影した映像をAIが解析し、鉄筋の径や間隔を自動で算出します。 人がスケールで測る手作業と比べて誤差が少なく、正答率は実証実験で94%、高精度領域では98.6%を達成。 鉄筋が複雑に重なる多段配筋でも、1回の撮影で正確に検査が可能です。 熟練者の経験に頼っていた検査をデータで支えることで、現場全体の品質安定と検査の標準化を実現しています。
※参照元:株式会社大林組公式HP(https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20240521_1.html)
従来の配筋検査では、現場での測定・撮影・記録・報告書作成まで多くの工程が必要でした。 AI配筋自動検査システムは、これらを撮影→自動解析→レポート出力の流れで一括化し、作業時間を約36%削減。 大林組が展開する「GLYPHSHOT」シリーズとの連携により、検査データの一元管理も可能です。 現場の負担を減らすだけでなく、デジタル技術を活用した建設業界のDX推進を後押しするツールとして注目されています。
※参照元:株式会社大林組公式HP(https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20240521_1.html)
AI配筋自動検査システムでは、ステレオカメラで撮影した動画をAIが自動解析し、鉄筋の径や間隔を瞬時に算出します。 従来は人がスケールで測定していた作業を、カメラ撮影だけで完了できるのが特徴です。 特に多段配筋など、鉄筋が複雑に入り組んだ構造でも一度の撮影で正確に検査可能。人手によるバラつきを減らし、検査の再現性とスピードを両立します。
解析結果は、AIが算出した“推定確度”に応じて色分け表示されます。 精度の高い部分は青、再確認が必要な部分はオレンジなど、ひと目でリスク箇所を把握可能。 現場担当者が数値の羅列ではなく、視覚的に判断できる点が大きなメリットです。 特に短時間で多くの検査を行う現場では、作業効率と判断のスピードを大きく向上させます。
撮影と解析が終わると、システムが検査結果を自動でレポート化します。 鉄筋の本数、間隔、撮影位置などのデータが自動で整理され、報告書として出力可能。 従来の手作業による入力やチェックが不要になり、担当者の負担を大幅に軽減します。 また、既存の「GLYPHSHOT」シリーズと連携することで、現場全体の検査記録を一元管理できるのも特徴です。
このサイトでは、「商業施設向け」「トンネル向け」「橋梁向け」の3つの現場におすすめの配筋検査システムをご紹介。
各現場で求められる機能を徹底調査し、14社※の製品から厳選。人手に頼らない【省力化・効率化】を実現する配筋検査システムが見つかります。
※2025年6月19日編集チーム調べ:「配筋検査システム」とGoogleで検索をして表示された配筋検査システムを提供する会社を選定
株式会社大林組は、1892年創業の総合建設会社で、建築・土木事業を国内外で展開しています。 長年にわたり現場の生産性向上やICT/AI活用に力を入れており、今回ご紹介の「AI配筋自動検査システム」も同社の技術力と検査支援システム「GLYPHSHOT」シリーズのノウハウを背景に開発されています。 信頼性の高い施工体制と技術革新力を兼ね備えた企業です。
| 企業名 | 株式会社大林組 | 
|---|---|
| 所在地 | 東京都港区港南2丁目15番2号 品川インターシティ B棟 | 
| 電話番号 | 03-5769-1111 | 
| 公式HP | https://www.obayashi.co.jp/ | 
配筋検査とひと口に言っても、その方法は現場によって異なります。このサイトでは、商業施設・トンネル・橋梁といった、規模や構造に特徴がある現場別に、14社※の製品からおすすめの配筋検査システム3選をご紹介します。
※2025年6月19日編集チーム調べ:「配筋検査システム」とGoogleで検索をして表示された配筋検査システムを提供する会社を選定

従来の検知技術では困難な奥行きのある配筋をAIカメラが正確に認識。精度の高い検査が必要な商業施設でも、熟練度に依存せずに検査ができます。
鉄筋量が多い大型・多層階の施設でもARスケールで楽に検査写真を撮影可能。画像検索機能や進捗確認の見やすさによって、探す手間を改善し作業時間を約4~5割削減※2します。

湾曲構造のトンネルでも鉄筋の本数や位置を正確に把握。誤差が出やすい曲面も「湾曲計測モード」で容易に測定が可能で、位置調整の手間が省けます。
トンネル内の天井が低い現場でも、検査機が軽量で分離構造のため、取り回しがスムーズ。足場の限られた狭所でも位置調整などに時間を取られず、効率的に検査ができます。

ドローンを撮影に活用することで、高所作業を伴う橋梁検査の作業負担を大幅に軽減。手作業中心の検査に比べて、約75%※4の省力化を実現したという事例もあります。
これまでの測定方法では難しいPC橋や鋼床版の複合構造にも、AIを用いた画像解析で対応可能。橋長全体の検査・記録が効率的になり、検査品質を向上させます。
※1 2025年9月時点
参照元:プライム ライフ テクノロジーズ公式HP(https://www.consait.com/)
共同開発に参画したゼネコン21社:青木あすなろ建設株式会社/ 株式会社淺沼組/ 株式会社安藤・間株式会社奥村組/ 北野建設株式会社/株式会社熊谷組/ 五洋建設株式会社/ 佐藤工業株式会社/ 大末建設株式会社/ 髙松建設株式会社/ 鉄建建設株式会社/ 東急建設株式会社/ 戸田建設株式会社/ 飛島建設株式会社/ 西松建設株式会社/ 日本国土開発株式会社/ 株式会社長谷工コーポレーション/ 株式会社ピーエス三菱/ 株式会社松村組/ 村本建設株式会社/ 矢作建設工業株式会社
※2参照元:プライム ライフ テクノロジーズ公式HP(https://www.youtube.com/watch?v=ryLovLWmvz0&t=7s)
※3参照元:三菱電機エンジニアリング公式HP(https://www.mee.co.jp/kaisyaan/press/prs250306.html)
ただし過検出を含み、撮影条件等によります。
※4参照元:JFEエンジニアリング公式HP(https://www.jfe-eng.co.jp/news/2020/20200909.html)