GRIFFYと村本建設が共同開発した配筋検査ARシステム「BAIAS®」。iPad Pro1台・1名で運用でき、省力化と検査効率の向上を実現する建築現場向けのシステムです。
この記事では、BAIAS®の特徴や機能、導入メリット、おすすめの業界について詳しくご紹介します。

BAIAS®は、建築分野における大規模建築物の現場に適したシステムです。商業施設やショッピングモール、官公庁・公共施設など、人の出入りが多く検査範囲が広い施工現場での配筋検査に活用できます。確認項目が多く、精度とスピードの両立が求められる場面で力を発揮します。
従来は2名以上で行う必要があった配筋検査を、BAIAS®ならiPad Pro1台・1名で完結。人員不足の現場でも検査工程を止めずに進められるため、省人化と効率化を同時に実現します。
作業時間は約50〜70%削減※が見込め、大型商業施設や物流倉庫などの広い現場でも少人数でスムーズに回すことが可能。リアルタイムでの計測・確認・修正により手戻りを防ぎ、工期短縮やコスト削減にもつながります。
国土交通省「鉄筋出来形計測の実施要領(案)」に準拠し、径・本数・間隔の計測に対応。ダブル配筋や鉄筋かごなど複雑な構造も正確に計測でき、施工条件の違いに左右されない安定した品質管理を実現します。
計測データはクラウドで即時共有され、検査記録を一元管理。過去の履歴も追跡可能なため、発注者への説明や将来の保守にも活用できる仕組みです。
2025年4月にはNETIS「活用促進技術」に選定※。さらに、2025年7月時点で累計200現場以上に導入されており、制度面と実績の両面から信頼性の高さが裏付けられています。
上下2層に鉄筋を配置する構造に対応した機能です。AR上のガイドとマーカー操作により、奥側の鉄筋も含めて配筋間隔を自動計測できます。
計測結果を設計図と比較し、その内容を帳票として出力できる機能です。検査結果の記録や報告書の作成をスムーズに行えるため、業務の標準化と効率化を後押しします。
計測結果を自動で反映する電子小黒板を活用し、現場に応じて項目やレイアウトを柔軟に変更。従来の手書きによる記録作業が不要となり、検査工程の省力化に貢献します。
一度の操作で広い範囲を対象に計測できる機能です。少ない操作回数で効率的に作業を進められるため、大規模現場や複数箇所にわたる検査でも高い作業性を発揮します。
iPad Proの画面上で任意の2点を選ぶだけで、AR上に距離を表示できる計測機能です。リボンテープや撮影準備が不要となり、「重ね継手長」や「定着長」などの寸法を簡単かつ正確に把握できます。
従来のBAIAS®では、配筋情報をARで重ねて表示する際、ラベルが両面に出る仕様でした。そのため、鉄筋の密度が高い場所や狭い空間では、表示が重なって見づらくなるケースもありました。今回追加された「ラベル片側表示機能」では、ラベルを片側のみに表示できるようになり、視界をすっきり保ちながら必要な情報だけを確認できます。
これにより、奥まった箇所や複雑な構造部分でも、AR上の情報が整理されて見やすくなりました。ラベルが干渉しにくくなることで、配筋状況をより直感的に把握しやすくなり、現場での確認作業がスムーズになります。
今回のアップデートでは、ラベルオブジェクトの位置調整や動作確認を複数の角度から何度も繰り返し、より見やすい初期表示となるよう工夫されています。現場での作業性を高めるための改善であり、細部まで「ユーザーが見やすい」と感じられる体験を目指したアップデートです。小さな改良ですが、こうした積み重ねがBAIAS®の実用性をさらに高めています。
勾配のある床版工は、排水や構造上の理由から道路橋やトンネルなどで多く見られます。しかし鉄筋が水平でないため、従来の平面を基準にした配筋計測では誤差が発生しやすく、正確な出来形確認が難しいという課題がありました。
今回のBAIAS®アップデートでは、計測範囲に勾配を設定できる機能が追加され、現場の傾斜条件に応じたARマーカーの自動補正が可能になりました。計測時に「スラブ方向」を選択し、設計値としてプラス・マイナスの勾配を入力するだけで、AR上に実際の傾きに沿った計測範囲が生成されます。
これにより、右上がり・左上がりといった傾斜のある構造物でも、設計図面と同等の精度で配筋位置を確認できるようになりました。設計段階であらかじめ勾配値を入力しておけば、現場ではその値に基づいて自動で補正された計測範囲が表示されます。これまで傾斜のある床版では、配筋面に合わせてマーカーの位置を微調整する必要がありましたが、この機能によってその手間がなくなりました。横断方向の右上がりや左上がりなど、さまざまな勾配条件でも設計値どおりの範囲でスムーズに計測できるようになっています。
これにより、勾配を含む床版工事でも、平面構造の現場と同じ手順で、精度の高い出来形確認を進められるようになりました。
千鳥配筋は、鉄筋の太さを交互に変えて組む配筋方法で、構造の強度を保ちながら資材を効率的に使えるのが特徴です。建設現場では、コストと耐久性のバランスを取る目的で採用されることが多く、精度の高い計測が求められます。
これまでのBAIASでは径の異なる鉄筋を同時に計測するのが難しく、別々に撮影してデータをまとめる手間が発生していました。新しいバージョンではこの課題が解消され、1回の計測で複数径の鉄筋を認識できるようになっています。
以下が計測の流れになります。
・ノーマルモードで計測画面を開く
・1種類目の鉄筋径を設定し、マーカーを配置
・次に2種類目の鉄筋径を設定し、色を変えてマーカーを追加
・ズレがある場合は「マーカー位置調整」で微修正
・全体を撮影し、「保存する」ボタンで完了
このアップデートにより、千鳥配筋でも正確かつ効率的なAR計測が可能になり、現場での作業時間と確認ミスを大幅に削減できます。

視認性の高いアイコンと統一された操作フローで、初めての現場作業者でも迷わず操作できます。iPad Proの画面上で2点をタップするだけで距離を計測できるなど、操作もシンプル。作業ステップは画面に表示され、検査状況を把握しやすく、ミスや手戻りを防いで検査効率と成果物の品質を高めます。
公式HPに価格の記載がありませんでした。詳しくは公式HPにてお問合せください。
公式HPに事例やお客様の声の掲載がありませんでした。
このサイトでは、「商業施設向け」「トンネル向け」「橋梁向け」の3つの現場におすすめの配筋検査システムをご紹介。
各現場で求められる機能を徹底調査し、14社※の製品から厳選。人手に頼らない【省力化・効率化】を実現する配筋検査システムが見つかります。
※2025年6月19日編集チーム調べ:「配筋検査システム」とGoogleで検索をして表示された配筋検査システムを提供する会社を選定
サインロイド2は、風速・雨量・水位などの気象データや騒音・振動・傾斜などのアナログ計測値をクラウド連携で表示・予測できる汎用LED掲示板です。AIによる数時間先の天候予測やアラート設定も可能で、作業現場の安全管理を支援します。
遠隔臨場に特化した「Gリポート®」。スマホ+ジンバル+ヘッドセットで滑らかな映像と明瞭な音声を配信。ハンディ/ウェアラブル両対応、ブラウザ閲覧・クラウド保存、NETIS登録技術として検査を効率化します。
GRIFFY CAMは、建設現場向けに開発されたスマートフォン用遠隔監視カメラアプリです。ネットワークカメラの映像をiOS・Android対応端末でリアルタイムに確認でき、パン・チルト・ズーム操作やプリセットの写角登録にも対応。
複数カメラをひとつのアプリで管理でき、離れた現場の状況把握をスムーズにします。
ミルモット®360は、パン・チルト・20倍光学ズーム搭載のクラウド監視カメラです。PC/スマホで遠隔ライブ・録画確認、30日保存と簡単DL。ソーラー対応・赤外線で夜間もOK、NETIS登録。
現場ロイドの「車両接近検知システム」は、工事現場に出入りする車両・歩行者双方の接近をセンサー検知し、パトランプやLED表示板で即時に警告します。視界不良や出入口が複雑な現場でも、衝突リスク軽減を狙った安全対策ソリューションです。(NETIS登録:KT-230026-A)
Starlink Businessは、法人や自治体向けに低軌道衛星を使った高速・低遅延インターネット環境を提供するサービスです。山間部や島しょ地域、災害時の通信インフラが整っていない現場でも、安定したネットワーク接続を実現します。
Gウェーブは、通信が届きにくい屋外環境でも無線LANを構築できる屋外無線伝送装置です。衛星・光・LTE回線から起点を選び、Wi-Fiアクセスポイントと組み合わせて山間部・トンネル・砂防工事現場などの“通信不感地帯”に対応。
NETIS登録技術として現場のDX化を支援します。
バーチャサインは、現場でクラウド上に予め設定した標識を高輝度投影するシステムです。トンネルや夜間工事において、通信回線(LTE/有線LAN/Wi-Fi)経由で遠隔変更可能な仮想標識を鮮明に表示。設置・交換の手間を削減し、安全管理を効率化します。
「Gセーブ」は、発電機のコンセントに接続するとモバイル通信で稼働状況をクラウド収集。電源ON/OFFの通知、1日の稼働時間、累積稼働時間を遠隔で確認でき、発電機の無駄稼働・燃料浪費を防ぎます。
建設業界に特化したDXソリューションを展開する企業「GRIFFY」が開発元です。BAIAS®の他にも、AI・IoT技術を活用した多様な製品を提供しています。
遠隔臨場システム「Gリポート®」、体調管理ソリューション「GenVital」など、現場の省人化や安全・品質管理を支援する製品を通じて、建設現場の課題解決に取り組んでいる企業です。
| 企業名 | 株式会社GRIFFY |
|---|---|
| 所在地 | 東京都千代田区内神田2-12-6 内神田OSビル7F |
| 電話番号 | 0120-985-368 |
| 公式HP | https://www.gembaroid.jp/ |
配筋検査とひと口に言っても、その方法は現場によって異なります。このサイトでは、商業施設・トンネル・橋梁といった、規模や構造に特徴がある現場別に、14社※の製品からおすすめの配筋検査システム3選をご紹介します。
※2025年6月19日編集チーム調べ:「配筋検査システム」とGoogleで検索をして表示された配筋検査システムを提供する会社を選定

従来の検知技術では困難な奥行きのある配筋をAIカメラが正確に認識。精度の高い検査が必要な商業施設でも、熟練度に依存せずに検査ができます。
鉄筋量が多い大型・多層階の施設でもARスケールで楽に検査写真を撮影可能。画像検索機能や進捗確認の見やすさによって、探す手間を改善し作業時間を約4~5割削減※2します。

湾曲構造のトンネルでも鉄筋の本数や位置を正確に把握。誤差が出やすい曲面も「湾曲計測モード」で容易に測定が可能で、位置調整の手間が省けます。
トンネル内の天井が低い現場でも、検査機が軽量で分離構造のため、取り回しがスムーズ。足場の限られた狭所でも位置調整などに時間を取られず、効率的に検査ができます。

ドローンを撮影に活用することで、高所作業を伴う橋梁検査の作業負担を大幅に軽減。手作業中心の検査に比べて、約75%※4の省力化を実現したという事例もあります。
これまでの測定方法では難しいPC橋や鋼床版の複合構造にも、AIを用いた画像解析で対応可能。橋長全体の検査・記録が効率的になり、検査品質を向上させます。
※1 2025年9月時点
参照元:プライム ライフ テクノロジーズ公式HP(https://www.consait.com/)
共同開発に参画したゼネコン21社:青木あすなろ建設株式会社/ 株式会社淺沼組/ 株式会社安藤・間株式会社奥村組/ 北野建設株式会社/株式会社熊谷組/ 五洋建設株式会社/ 佐藤工業株式会社/ 大末建設株式会社/ 髙松建設株式会社/ 鉄建建設株式会社/ 東急建設株式会社/ 戸田建設株式会社/ 飛島建設株式会社/ 西松建設株式会社/ 日本国土開発株式会社/ 株式会社長谷工コーポレーション/ 株式会社ピーエス三菱/ 株式会社松村組/ 村本建設株式会社/ 矢作建設工業株式会社
※2参照元:プライム ライフ テクノロジーズ公式HP(https://www.youtube.com/watch?v=ryLovLWmvz0&t=7s)
※3参照元:三菱電機エンジニアリング公式HP(https://www.mee.co.jp/kaisyaan/press/prs250306.html)
ただし過検出を含み、撮影条件等によります。
※4参照元:JFEエンジニアリング公式HP(https://www.jfe-eng.co.jp/news/2020/20200909.html)