GeoMation 鉄筋出来形自動検測システム(日立ソリューションズ)

目次

日立ソリューションズと三井住友建設が共同開発した配筋検査システム「GeoMation」。デプスカメラとタブレットを活用することで、鉄筋の出来形を自動で検測でき、従来の作業に比べ効率的な検査を実現します。

この記事では、製品の特徴や選ばれる理由、導入事例、主要な機能について紹介します。

日立ソリューションズ公式キャプチャ画像
引用元:日立ソリューションズ公式HP
(https://www.hitachi-solutions.co.jp/contech/products/rebar_check/)

GeoMation 鉄筋出来形自動検測
システムが活躍するシーン

国土交通省の要領案に準拠しているため、公共工事を中心とした土木分野での活用に適しています。基準に沿った検査記録が求められる場面でも、発注者や検査官への説明・提出がスムーズです。

特に、橋梁・ダム・トンネル・道路といった大規模インフラ工事で力を発揮し、現場条件が異なり検査負担が大きいケースや、標準化と精度確保が求められるプロジェクトにも対応します。

GeoMation 鉄筋出来形自動検測
システムが選ばれる理由

作業時間を3分の1に短縮する先進技術

AIによる鉄筋抽出やダブル配筋対応、パノラマ合成といった機能を備え、従来の検査業務を大幅に効率化しています。開発パートナーの三井住友建設との実証実験では、作業時間を従来比で3分の1に短縮できることが実証されており、現場の負担を大きく軽減。

さらに直射日光や逆光といった厳しい環境下でも誤差を抑えて計測できるため、橋梁・トンネル・ダムなど大規模インフラ工事においても高い信頼性を発揮しています。

参照元:日立ソリューションズ公式HP(https://www.hitachi-solutions.co.jp/contech/products/rebar_check/

公共工事でも選ばれる、公的評価が証明する信頼性

日立ソリューションズと三井住友建設は、共同開発した「GeoMation 鉄筋出来形自動検測システム」により、アジア・オセアニア地域のIT業界団体ASOCIO(Asian-Oceanian Computing Industry Organization)が主催する「2022 ASOCIO Tech Excellence Award」において、「Outstanding Tech Company Award」を受賞しました。

この賞は、アジア・オセアニア地域の経済発展に資する先進的な技術開発や導入に取り組んだ企業に贈られるもので、審査委員会からは技術的な革新性が高く評価されています。特に、汎用品ハードウェアを活用しつつ、使いやすいインターフェースと省力化を実現した点が優れた事例として挙げられました。

※参照元:一般社団法人情報サービス産業協会公式HP(https://www.jisa.or.jp/public_info/press/tabid/3401/Default.aspx

GeoMation 鉄筋出来形自動検測
システムの機能

撮影~帳票作成

デプスカメラと接続したタブレットで鉄筋の画像を撮影。3D画像としての情報が取得され、次の処理ステップに進むための基礎データが準備されます。画像をもとに検測範囲を指定し、鉄筋の本数や配筋間隔を自動で計測

計測結果はクラウドにアップロードされ、帳票として出力可能です。日本コンピュータシステム社の帳票生成サービスと連携することで、帳票作成までをクラウド上で完結できます。

キャリブレーション機能

現場ごとに計測精度の確認が可能です。手動で取得した計測値と許容誤差を入力することで、システムが算出した計測値がその範囲内に収まっているかどうかをチェック。キャリブレーションの結果は、ダイアログ上に表示され、即座に確認・活用することができます。現場ごとの精度管理をより確実に行えるよう、設計されています。

ダブル配筋対応

撮影された画像から、AI機能を活用し鉄筋の上段と下段を自動で抽出・表示します。ユーザーが抽出対象の鉄筋を選択することで、ダブル配筋に対応した鉄筋の計測も可能に。

AI機能を採用したことにより、鉄筋の抽出精度が向上。光の影響により正確な計測が困難な環境もありましたが、本システムでは直射日光下や逆光の状況でも安定した計測が実現されています。

パノラマ合成機能

計測対象となる鉄筋が1枚の画角内に収まらない場合でも、左右2枚の画像を撮影しパノラマ合成をすることで、鉄筋の計測が可能となります。

大規模な建設現場において、画角の調整が難しい場合に有効です。

GeoMation鉄筋出来形自動検測
システムの操作画面

GeoMation操作画面
引用元:日立ソリューションズ公式HP
(https://www.hitachi-solutions.co.jp/contech/products/rebar_check/)

タブレット上の操作画面では、撮影した鉄筋画像から自動的に本数や配筋間隔を計測できます。画面上で検測範囲を指定するだけで、AIが鉄筋を抽出し、結果は即座に数値化されます。さらに、クラウドを通じて計測データや帳票を共有できるため、発注者や関係者と遠隔で結果を確認することが可能です。現場での作業効率を高めるとともに、立会検査の負担軽減にもつながる実用的な操作環境が整っています。

GeoMation鉄筋出来形自動検測
システムの価格

公式HPに価格の記載がありませんでした。詳しくは公式HPにてお問合せください。

GeoMation 鉄筋出来形自動検測
システムの導入事例・お客様の声

作業時間の短縮と属人化の解消を実現

プレストレストコンクリート橋を中心に全国でインフラ工事を手がけるドーピー建設工業では、配筋検査が熟練者に依存し、準備や調書作成にも多くの時間がかかることが課題でした。そうした状況のなか、鉄筋出来形計測と調書作成を自動化できる「GeoMation 鉄筋出来形自動検測システム」を導入。

導入後はタブレットで撮影するだけで計測から帳票作成まで完了でき、現場からは「従来の5分の1程度まで作業時間が減った」という声も。若手職員でも検査を行えるようになり、属人化の解消と人員配置の柔軟化が進んでいます。

参照元:日立ソリューションズ公式HP(https://www.hitachi-solutions.co.jp/geomation/case14/
【現場別おすすめ3選】
配筋検査システムを14社から
厳選しました

このサイトでは、「商業施設向け」「トンネル向け」「橋梁向け」の3つの現場におすすめの配筋検査システムをご紹介。

各現場で求められる機能を徹底調査し、14社の製品から厳選。人手に頼らない【省力化・効率化】を実現する配筋検査システムが見つかります。

※2025年6月19日編集チーム調べ:「配筋検査システム」とGoogleで検索をして表示された配筋検査システムを提供する会社を選定

GeoMation 鉄筋出来形自動検測
システムの開発元

※販売元である日立ソリューションズについてご紹介しています。三井住友建設は共同開発パートナーとして「ラクカメラ」の名称で自社導入・機能強化を行っていますが、一般販売は日立ソリューションズが担っています。

日立グループの企業として培ってきた技術力と豊富な導入実績をもとに、企業や公共機関に向けた幅広いITサービスを提供しています。主な事業領域は、システムインテグレーション・クラウドサービス・セキュリティ対策・業務効率化ソリューションなどです。

AIやIoT、ビッグデータといった先端技術の活用にも積極的に取り組んでおり、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進支援にも注力しています。

企業名 株式会社日立ソリューションズ
所在地 東京都品川区東品川4-12-7
電話番号 03-5780-2111
公式HP https://www.hitachi-solutions.co.jp/contech/products/rebar_check/#top

【現場別】配筋検査システム
おすすめ3選

配筋検査とひと口に言っても、その方法は現場によって異なります。このサイトでは、商業施設・トンネル・橋梁といった、規模や構造に特徴がある現場別に、14社の製品からおすすめの配筋検査システム3選をご紹介します。

※2025年6月19日編集チーム調べ:「配筋検査システム」とGoogleで検索をして表示された配筋検査システムを提供する会社を選定

商業施設向け
ゼネコン21社※1
共同開発された建築対応型

CONSAIT Pro配筋検査

プライム ライフ テクノロジーズ公式HP
引用元:プライム ライフ テクノロジーズ公式HP
(https://www.consait.com/)
商業施設向けの理由

従来の検知技術では困難な奥行きのある配筋をAIカメラが正確に認識。精度の高い検査が必要な商業施設でも、熟練度に依存せずに検査ができます。

鉄筋量が多い大型・多層階の施設でもARスケールで楽に検査写真を撮影可能。画像検索機能や進捗確認の見やすさによって、探す手間を改善し作業時間を約4~5割削減※2します。

トンネル向け
湾曲面も
検出率約100%※3を見込める

Field Bar FB-200

三菱電機エンジニアリング公式HP
引用元:三菱電機エンジニアリング公式HP
(https://www.mee.co.jp/kaisyaan/press/prs250306.html)
トンネル向けの理由

湾曲構造のトンネルでも鉄筋の本数や位置を正確に把握。誤差が出やすい曲面も「湾曲計測モード」で容易に測定が可能で、位置調整の手間が省けます。

トンネル内の天井が低い現場でも、検査機が軽量で分離構造のため、取り回しがスムーズ。足場の限られた狭所でも位置調整などに時間を取られず、効率的に検査ができます。

橋梁向け
橋梁工事向けに
開発された

自動配筋検査AIシステム

JFEエンジニアリング公式HP
引用元:JFEエンジニアリング公式HP
(https://www.jfe-eng.co.jp/dx/case-2.html)
橋梁向けの理由

ドローンを撮影に活用することで、高所作業を伴う橋梁検査の作業負担を大幅に軽減。手作業中心の検査に比べて、約75%※4の省力化を実現したという事例もあります。

これまでの測定方法では難しいPC橋や鋼床版の複合構造にも、AIを用いた画像解析で対応可能。橋長全体の検査・記録が効率的になり、検査品質を向上させます。

※1 2025年9月時点
参照元:プライム ライフ テクノロジーズ公式HP(https://www.consait.com/
共同開発に参画したゼネコン21社:青木あすなろ建設株式会社/ 株式会社淺沼組/ 株式会社安藤・間株式会社奥村組/ 北野建設株式会社/株式会社熊谷組/ 五洋建設株式会社/ 佐藤工業株式会社/ 大末建設株式会社/ 髙松建設株式会社/ 鉄建建設株式会社/ 東急建設株式会社/ 戸田建設株式会社/ 飛島建設株式会社/ 西松建設株式会社/ 日本国土開発株式会社/ 株式会社長谷工コーポレーション/ 株式会社ピーエス三菱/ 株式会社松村組/ 村本建設株式会社/ 矢作建設工業株式会社
※2参照元:プライム ライフ テクノロジーズ公式HP(https://www.youtube.com/watch?v=ryLovLWmvz0&t=7s
※3参照元:三菱電機エンジニアリング公式HP(https://www.mee.co.jp/kaisyaan/press/prs250306.html
ただし過検出を含み、撮影条件等によります。
※4参照元:JFEエンジニアリング公式HP(https://www.jfe-eng.co.jp/news/2020/20200909.html

配筋検査システムおすすめ3